有限責任事業組合 (LLP) 制度ついて

 新会社法の施行に先行して日本版LLP法 ( 正式名称「有限責任事業組合契約に関する法律」 ) が、平成17年8月1日に施行されました。

 LLPとは Limited Liability Partnershipの略で、組合組織の柔軟性と株式会社の有限責任制を組み合わせた新たな事業体です。

  @出資者の有限責任、

  A内部自治原則、

  B構成員課税といった三つの特徴を兼ね備えています。

  LLP の創設の目的は、個人や、会社が連携して共同事業を行うことをやりやすくすることで、人的資産を活用し、

    新しい産業の創設により、経済の活性化を図ることです。

 

 どのような産業での活用を想定しているかと言うと、

 ○大企業同士、中小企業同士が連携して行う共同事業 

 ○ベンチャー企業や中小中堅企業と大企業との連携 

 ○異業種の企業同士の共同事業 

 ○産学の連携 

 ○専門人材が行う共同事業

 ○起業家が集まり共同して行う事業など

 例えば、産学連携による大学発ベンチャ−を想定して例にとって見ると、

 例 ) 製薬会社 A 会社とゲノム解析の権威の B 教授がバイオテクノロジーによる新薬の共同開発事業をする場合 

  

 A 社の出資が90 % B 教授の出資が 10%

 株式会社で行った場合  

 1. 出資比率による議決権や配当割合の為、 B 教授の知的貢献に報いることができない   

 2. 取締役会の設置が必要  

 3. 赤字の場合親会社の所得との通算ができない  

 4. 黒字の場合会社に法人税が課され親会社への配当にも課税される。

 LLP を選択した場合  

 1. 出資比率以上の利益配分を行うことが可能   

 2. 取締役会などの設置が不要   

 3. 損失は親会社の所得と通算できる。  

 4. 利益が出れば、 LLP には課税されずに親会社の利益配分に直接課税される。

 というように、いいところ取りとなります。

 このようにLLPは、

 ・有限責任でリスクを限定させたことで様々な事業へチャレンジしやすい

 ・損失の通算を可能にした

 ・利益の二重課税を回避できる

 など、新会社法と相まって新しい時代にふさわしい新事業体制度といえるでしょう。

LLP の設立に当たって

   

   設立の順序

  1.  組合員が組合契約書を作成

  2.  契約に記載した出資金を全額払い込む

  3. 事務所所在地の管轄法務局に登記

  登記の登録免許税が6万円、登録申請書類の審査に1週間程度の期間が必要となります。

 

LLP 契約書の絶対的記載事項

  

 @組合の事業

 A組合の名称

 B組合の事務所の所在地

 C組合員の氏名又は名称 ( 法人の場合 ) 及び住所

 D組合契約の効力が発生する年月日

 E組合の即続期間

 F組合員の出資の目的とその価額

 G組合の事業年度 

 

LLPの運営

  LLP は組合員の肩書き付き名義で、

 取引先と契約を結んだり、

 従業員と雇用契約を結んだり、

 社会保険、労働保険に加入することも可能です。

 また組合員全員の合有財産として、不動産や動産、知的財産を所有することになります。  

 ( 合有とは、共有と違い、組合における共有の財産を自由に分割したり持分を処分したりできないこと )

LLPの士業間での設立の可否

 日本版 LLP 法は新規創業の促進と創造的な連携共同事業の推進を目的として誕生しましたが、

 弁護士、税理士、行政書士等の士業においては、その根拠法に基づく全員無限責任の合名会社型の法人 ( 行政書士法人等 )

 か民法組合 ( 弁護士事務所等 ) 若しくは個人事業主として事業を営むこととされているので、  

 

 LLP の活用については検討課題ということです。 

LLP設立に関するご相談はこちらへ

ホームへ

   

参考  経済産業省  「LLP制度の創設について」、「LLPに関する40の質問と40の答え」

http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/pdf/faq.pdf

http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/pdf/llp_seidosousetsu.pdf

LLC(共同会社)について

 日本版LLCとは、「 Limited Liability Company 」の略称で、

 新会社法の合同会社のことで、会社の内部関係については、組合規律が適用される有限責任社員からなる企業形態。

 特徴としては、

  株式会社のような取締役の設置義務なし、

  出資者である社員が業務執行を行う

  社員は法人でもよい。

  会計監査人の設置が強制されない

  決算広告義務なし

 などがあげられます。

 

LLC の設立の順序

 LLC LLP と違って、社員1人のみの設立及び存続が認められています。

 

 LLC の設立の順序

 1.  定款の作成

 LLC の設立には定款の作成をしなくてはなりませんが、定款は認証を受けなくても登記ができます。

 

 定款の記載事項

•  目的
•  商号
•  本店の所在地
•  社員の氏名または名称及び住所
•  社員の全部を有限責任とする旨

   社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る)及びその価格または評価の標準

 2. 出資にかかる払い込み

  3.  設立登記

  本店の所在地において設立登記をします。

 

       登記事項は次の通り

•  目的
•  商号
•  本店及び支店の所在場所
•  存続期間、解散の事由について定款に定めた時は、その定め
•  資本金の額
•  業務を執行する社員の氏名または名称
•  代表する社員の氏名または名称および住所
•  社員が法人の時は、当該社員の職務を行うべき者の氏名および住所

•  公告の方法定めがあるときはその定め

 

LLC LLP の違い

 

   •  契約の締結手続き

    LLP は組合なので、肩書き付名義で契約を結びますが、

    LLC は法人格を有しているので、契約の主体となれます。

   •  従業員の新規採用や、社会保険、雇用保険手続き

    LLP では、代表の肩書き付き名義との雇用契約で、従業員を雇うことができ、

  その契約の効果は全組合員に及びます。

  社会保険等についても、代表の肩書き付き名義で手続きをすることになります。

  組合員は雇われるものではないので、被保険者資格はありません。

   LLC については、 LLC 自身の名義で雇用契約を締結でき、保険等の手続きも LLC の名義で行います。

  社員については、法人に雇われるものなので、被保険者資格があります。

 

•  許認可や補助金申請の手続き

 

•  課税上の違い